日本酒と酒米
- masa
- 2024年5月17日
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日本酒は「水と米と人の心」で造られると言われます。その中でも、米は日本酒の品質を大きく左右する重要な要素です。でも、普段飲んでいるお酒がどんな米で作られているか、どれくらいの人が知っているでしょうか?
酒米の種類と特徴日本酒造りに使われる米は、一般的な食用米とは違う「酒米」と呼ばれる特別な品種です。代表的な酒米をいくつか紹介します。
山田錦(やまだにしき):最高級の酒米として知られ、バランスの良い味わいが特徴。多くの高級酒に使われます。
五百万石(ごひゃくまんごく):新潟県を中心に広く栽培され、さっぱりとしたキレのある味わいを生む酒米です。
美山錦(みやまにしき):長野県で主に栽培され、ふくよかな香りと味わいが特徴です。
雄町(おまち):古来からの酒米で、濃厚で複雑な味わいを持つことで知られています。
雄山錦(おやまにしき):富山県で誕生した酒米。大粒で均一な形、そして豊かな味わいが特徴です。
酒米の栽培と収穫
酒米は食用米に比べて粒が大きく、中心に「心白(しんぱく)」と呼ばれる白い部分があります。この心白は、米を精米しても残る部分で、発酵に重要な役割を果たします。栽培には細心の注意が必要で、収穫量も少ないため高価になることが多いです。
精米歩合の秘密
精米歩合とは、玄米をどれだけ削るかを示す割合のことです。例えば、50%精米とは、玄米の外側を50%削り落とし、残りの50%を使うことを意味します。精米歩合が低いほど、純度の高い酒米が使われ、上質な日本酒ができます。しかし、精米が進むほどに、香りや旨味も減少するため、バランスが重要です。
酒米と日本酒の味わい
酒米の種類や精米歩合によって、日本酒の味わいは大きく変わります。例えば、山田錦を使った酒はフルーティで華やかな香りが特徴で、美山錦を使った酒は米の旨味がしっかりと感じられます。また、精米歩合が低いほど淡麗でクリアな味わい、高いほど芳醇で複雑な味わいになります。
富山の誇り「雄山錦」
雄山錦は1989年に富山県農業試験場で育成された酒米です。親は「五百万石」と「新200号」で、その特性を受け継ぎ、栽培のしやすさと高品質を両立しています。富山県の気候と土壌がこの酒米にぴったりで、主に富山県で栽培されています。雄山錦を使った日本酒は、米の旨味がしっかりと感じられるのが特徴です。富山県の誇る酒米として、多くの酒蔵で愛されています。
。酒米の未来近年、伝統的な酒米の復活や新しい品種の開発が進んでいます。例えば、古代米を使った日本酒や、有機栽培による酒米などが注目を集めています。これにより、これまでにない多様な味わいの日本酒が登場し、日本酒の可能性が広がっています。日本酒を楽しむ際に、その裏側にある酒米の物語を知ることで、さらに深い味わいを感じることができます。次回、日本酒を手に取るときは、そのラベルに書かれた酒米の名前に注目し、その米が生んだ味わいを存分に楽しんでみてください。
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